25セント銀コインのついた革財布。僕の愛用の品のひとつだ。
大学生の時に八王子近郊の「STUDIO T&Y」という手作りインディアン雑貨のお店で手に入れた。もちろん今も現役で使用している。
僕がインディアン雑貨に興味を持つようになったのは、大学在学中にアメリカに通っていたころのこと。ロス近郊の「ローズボールフリーマーケット」で見かけたのがきっかけだ。このフリーマーケットはとにかく色々なものが売られているが、インディアン雑貨はどれも手作りの一点もので数が少なく、なかなか見つけることができない。同じものには出会えないという希少性と、自然を感じさせるモチーフに心が惹かれた。インディアン雑貨を探しにナバホ・インディアンのレザベーション(居留地)まで出かけて行ったこともある。
そんなころ、インディアン雑貨のお店「STUDIO T&Y」と巡り会った。
店主はアメリカに渡ってインディアン文化を学び、銀細工や革製品をひとつひとつ手作りしている。この店主が作る雑貨の魅力は、インディアン文化を継承しながらも、日本人の背格好やライフスタイルに合わせて上手にデザインしているところ。この財布もインディアンテイストはそのままに、とても使いやすい仕様になっている。
一度、この財布とは生き別れになったことがある。大学生の当時、バイクで環状7号線を移動中にリュックから落としてしまったのだ。大学の寮がある五日市に帰ってから気がつき、深夜0時過ぎに同級生をバイクの後ろに乗せて探しに行くことに。どこで落としたかもわからない道をゆっくり逆戻りした。
「さすがに無理かな・・」と諦めかけたとき。環状7号線の陸橋の上で、何度も車に踏まれた無残な姿の革財布を発見した。財布に付いている25セントの銀コインも潰れていた。
翌日、お店に持って行き事情を話すと、潰れた銀コインを叩いて整形し解れた糸も縫い直してくれた。店主は「もう二度と手放せなくなったね」とひとこと。
その時には、その言葉の意味がよくわからなかった。
それから15年ほどの時間がたった。あのときの店主の言葉の意味がようやくわかり始めてきた。
一度なくしてしまったものが、いま手元にあるということ。その大切さや思い出が、時間がたてばたつほど大きくなっている。
壊れても修理し再生しながら、持ち続ける楽しみ。アメ車にも共通する部分を感じている。